1票を投じる際の決め手には大きく政党、選挙公約、立候補者の人柄に分かれるだろうが、このところの政局の混乱ぶりでは、何を投票のよりどころにしていいのかわからない▼離合集散を繰り返す政党の乱立ぶりを見ていると〝烏合の衆〟という言葉が頭に浮かぶ。「今の党では、自分のやりたい政治活動が実現できない」と勇ましく言うけれど、注目を集めるリーダーが次々に新しいグループをつくり、そこにさまざまな政党の議員が住み心地のよさを求めて擦り寄る姿は見よいものではない▼見てくれだけのよい新党に夢を託すのは、民主党で懲りている。尻軽な議員、絵空事の公約などもういらない。他党と一線を画す明確なマニフェストを打ち出し、それを必ず実行する政党、議員の登場を待ちたい▼国民の信を問う選挙なのだというが、その〝信〟が見えない今の政治に有権者はどんな答えを出すというのだろう。冷めた目で政治を見続ける人たちの判断はいかに。