平・新川沿いの桜並木が色づいてきた。かつてこのそばにはコンサート、映画、演劇、講演会など数多くの催しが開かれた平市民会館があった▼チケットを買い一般客として来館したこともあれば、小中学生当時に合同演奏会の名目で舞台で合唱したこともある。規模の大きさから約40年間、いわき市民にとって文化発表、交流の一大拠点だったと思う▼その同館も長い役目を終えたのち取り壊され、いわき芸術文化交流館「アリオス」に生まれ変わった。ホール、付属施設の充実ぶりは他に引けを取らない。出演者も国内外の一流どころも多いのだが、オープン後に訪れたのはわずか2回のみ▼旧館に郷愁を覚えるわけではないが「市民会館」というフレーズに慣れ親しんできたことで、こちらの気が引けるのかもしれない。8日、開館5周年を迎えるアリオス。時代は変わっても、施設と市民が一体で文化を創出するもの。原点は市民会館であってほしいと願う。