東日本大震災発生から1カ月後、苦しい状況下さらに追い打ちをかけた震度6弱の直下型地震。特にいわき市南部の被害は大きく、田人地区では土砂崩れで4人が犠牲になった▼沿岸部は大津波、山間地は活断層のずれによる強い余震と散々な思いをした。その「4・11」に合わせ先日、断層跡が残る田人町黒田地内で「井戸沢断層標示木植樹」が行われ、イチョウの若木1本が植えられた▼同地区を散策すると分かるが、春にはスイセン、ヤマブキが花開き、秋にはイチョウが黄金色に輝く風景が見られる。この黄色を田人のイメージカラーとして広めようとする試みで、今回が最初の一歩だ▼活動を進める田人地域振興協議会は今後、表出した断層沿いに順次植樹していくという。津波被害を受けた岩間地区では「幸せのクローバー運動」が荒地の緑化に貢献している。沿岸の緑色と山間の黄色。植物の力強さと色彩を使った民間による復興計画を応援したい。