絵手紙が趣味として広く普及するようになってどれくらいたつのだろう▼市内各地には絵手紙サークルがいくつかあり、地区の文化祭会場や郵便局のロビー展などで見かけることがある。心のこもった絵はがきというより、詩画の部類に入る作品と言ってもいいのだろう▼エスプリの利いた短い言葉とそれを引き立てる絵心という2つの異なるセンスが必要なのだから、簡単なようで実は奥の深い趣味なのだろう▼「線路は続くよ そこまでは」「浪江まで58㌔ 昔はね! 今は宇宙より遠くなってしまった」「2011年3月発送の手紙が 2013年3月2日手元に届いた いわきから2年かけて 楢葉の私の所へ!」▼こんなメッセージが書かれた絵手紙がある。楢葉町からいわきに避難している人がふるさとを思って作ったものだ。さびついた線路に雑草が覆い被さっている光景を見たことがある。先が見えない双葉郡の厳しい行く末を物語っているかのようだった。