東電福島第一原発敷地内の汚染水地上タンクから漏れが止まらない。一部のタンクは鋼鉄製で、台座にボルトで取り付けられているという。汚染水漏れが発表された際、こんな構造だったのか、と思った▼敷地の山側から脈々と流れ続ける地下水、そして一向に止まる気配さえ見えない原子炉が絡んだ汚染水、これらが一緒になった汚染水は増えるだけ。この先どうなるのだろうかと考えてしまう▼首相を本部長とする政府の原子力災害対策本部が、政府が汚染水漏れに主体的に取り組むことを明記した基本方針と対策を決めた。今さら遅すぎると思うのはフクシマの人だけか。「福島の復興なくして―」の言葉が、今さらながら空々しい▼素人考えながら、あの敷地全体を高いコンクリートの塀で囲んで屋根をかけ、地下も河川工事で見かけるようなものすごく長い鉄板を打ち込み、石棺状態にでもしなければ手の施しようがないのではないか。もうすぐ2年半になる。
片隅抄