平のアートスペース・エリコーナで開催中の「F.ライン~福島へ」で目を引いたのは、杉の葉で作られた〝神様〟だった▼「陸斗」は、きりん子林(こりん)の守り神である。この林は田人二小の学校林で、子どもたちはここで自然の素晴らしさを学んできた。5人しかいない全校児童が、それぞれに抱く神様のイメージを合体させて完成した▼同小は南大平分校に続いて、本校も本年度限りで閉校することが決まっている。自分たちがいなくなったあとも、ふるさとの山を守ってほしいという気持ちがそこにある▼指導したのは同小の卒業生3人で、大学の研究生と大学院生、そして震災後に退職し地元に帰り、今は子どもたちと小学校、ふるさとの姿を撮影し続けている元会社員が夏休みに小学校を訪れた。校章に刻まれ、♪緑したたる杉の木…と校歌にも歌われたふるさと田人の杉。先輩・後輩の魂がこもった神様はこれから、きりん子林で何を守っていくのだろう。