週末のテレビで、わが青春ともいうべき80年代アイドルが歌う録画映像に見入ってしまった。バブルへと向かう時代で、自分も含め若者は皆、彼らが象徴する「カッコよさ」にあこがれていた気がする▼こうしたカッコよさであれ、自分の可能性であれ、何かを追い求めるのが若さだと思っていた。しかし今、それも「時代」だったのではと感じている▼バブル期に青春を過ごした世代を親とする現在17~26歳の若者を「さとり世代」と呼ぶ。ブランドや車に関心が薄く浪費をしない。守りを重視し、周囲との協調やバランスを大事にする。そして賢く要領がいい―確かに「知命」を迎えた自分より「悟っている」▼マーケティングライター牛窪恵氏は著書で「さとり世代を自立へと導くのが大人の役目」と記している。さとり世代に「ああいう大人になりたい」と思われるような生き方をすることが、彼らの将来、日本の未来にとって大切なのだと―後半生の心掛けとしよう。