最近の新聞の〝三面記事〟で気になるものの中に除染作業員の犯罪がある▼言うまでもなく、福島第一原発事故の復旧では全国各地から数多くの人たちが除染作業員として集められ、日夜被ばくの危険性と隣り合わせの命がけの作業を続けている。そのうちの何割かはいわきに住んで、原発の現場との間を行き来しているわけだ▼多くの人間が集まれば、まっとうに働いている人もいればそうでない人間も交じっている。そうなれば事件を起こす人間が出てくるのも当然といえば当然だろう。そしてほんの一握りの悪い人間のために、除染作業員へのイメージも悪いものとなるのだ▼以前遠野地区に除染作業員のための大規模な宿舎が造られようとしたとき、地元の住民が大反対の運動を起こしたのも、治安の面で今日の出来事を予想してのことなのだろう。いわき市民だって全員が善人だとはいわないが、これはとても悲しいことだ。善良な除染作業員の人たちにとっても。