素晴らしい映画に出合った。堤幸彦監督の「くちづけ」。ラストの衝撃の真実に涙が止まらなかった▼ここ数年、映画館に足を運ぶ機会がめっきり減った。代わってDVDを借りて自宅で新旧の名作を楽しんでいる。きっかけは都会でしか上映されない映画は、いくら見たいと思っても地方では見ることができない。それを可能にしたのがレンタルDVDだった▼半面、映画館とは違い泣いたり笑ったりと、同じ映画を見る仲間との感情の共有ができず、1人で見る味気なさは否めない。この不満を解消してくれたのが「ポレポレ映画祭」。年1回、いわき駅前の映画館で行われるイベント企画。地方では上映予定のない名作4本が、低料金で見られるとあって、毎回、中高年を中心に大勢の観客でにぎわっている。「くちづけ」も今回の映画祭での1本だ▼駅前に人が集まることで町の活性化にもつながる。「映画は映画館で」。ポレポレ映画祭の年複数開催を願う。