重要なビジネスマナーの1つに言葉遣いがあるが、これが結構難しい。例えば敬語、おかしな尊敬語や謙譲語、丁寧語をつい口にしたり、耳にしたりすることは少なくない▼英米文学・言語学者の外山滋比古氏は著書で「大人になったらことばをつつしまなければならない。ことばの教養をつけるのがたしなみである」と述べている。そしてその教養をはぐくむべきは、家庭の子育てにおいて、とも▼そこで問われるのが親の言葉遣いである。「親は子の言葉の先生」と外山氏。だが現代、友達のような親子関係の家庭が増えてきて、家庭で敬語を身につけることが出来なくなっている▼連休終盤の5日は、こどもの日。「こどもの人格を重んじこどもの幸福をはかるとともに母に感謝する日」として昭和23年に制定された。人格を重んじれば、子に掛ける言葉もよいものになり、家族間の礼節も生まれてくる。こどもの日に言葉を通して家族のありようを考えるのも悪くはない。