韓国・済州島に向かう客船が海に横たわっている衝撃的なニュース映像が流れてから3週間がたった。単なる座礁事故かと思われたこの事故も日を追うごとに信じられない事実が露呈し、人災を通り越した大事件に発展している▼なぜか、32年前、東京・赤坂のホテルニュージャパンで起きた火災を思い出す。利益を最優先し、安全対策は無視。しかも、経営者の身勝手なワンマンぶりがそれを助長する。全く同じ状況がこの2つには共通しているように思う▼安全対策とは、事故を起こさないために、そして、万が一の場合に被害を最小限にとどめるためにする対策のことだ。企業としては、利益を追求するのは当たり前だがそれよりも大事なこと、先にしなければならないことがあるのだ▼その後も、地下鉄での追突事故や、旅客機のトラブルが相次いでいる。再発防止のための対策は急務だが、一番は、人々の不安を取り除くことではないだろうか。信用を回復することだ。