茶道、華道など作法があり、比較的女性が多い取材は少し気後れする。それでも茶道は年4回ほど出向き、一服勧められる。菓子を先にいただき、茶碗の持ち方、飲み口の向きぐらいは分かってきた▼先日、ある生け花サークルを取材したが、この分野でじっくり話を聞くのは初めて。「季節感を大事に」とする家元教授が的確なアドバイスをし、用意したシャクヤク、ナナカマド、ナルコユリの3種を手際よく生けていった▼山々が若葉色に変化し、季節の草花が所々で目に付く。そんな中、田人町石住の綱木地区に群生するクマガイソウが見ごろを迎えている。独特の花弁と葉を持つラン科の多年草だが生育環境に制約され、繁殖も難しいことから絶滅危惧種に指定される▼約3万株を有する一大群生地に育てたのは個人の力が大きい。自生する植物をみだりに掘り出しても育つわけがない。正当に入手した花木を生ける文化がある一方、見境のない行為は困る。