女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」が、アジアカップで、悲願の初優勝を果たした。昨夜のオーストラリアとの決勝生中継に見入った人は多いだろう▼「なでしこジャパン」といえば、やはり3年前の7月18日を思い出す。W杯ドイツ大会で、強豪アメリカを倒し世界一に輝いたあの瞬間だ。朝6時ごろだった。テレビの前で興奮しガッツポーズをした瞬間、隣家からも「やったぁー」と歓喜の声。おそらく日本中で同じシーンが繰り広げられたに違いない▼当時は、震災からまだ4カ月、その中での世界一。全国を覆っていた重いムードを彼女たちが蹴り飛ばしてくれた思いだった▼「なでしこジャパン」の由来は、いわゆるヤマトナデシコ(カワラナデシコ)にあるが、万葉集にも出てくる花で、「かれんで繊細だが心は強い」日本女性を象徴している。またナデシコの花言葉には、「純愛」のほかに「勇敢」「大胆」ともあり、まさに彼女たちにぴったりである。
片隅抄