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片隅抄

2014.08.07

「平七夕まつり」真っ最中である。浴衣姿で色とりどりの飾りの下をそぞろ歩く顔は皆楽しげで、もしまちに「心」があるなら、まち自体が喜々としているようにさえ感じられる▼今年は七夕まつりの本場・仙台仕込みの飾りも登場した。実行委員会によると、伝統の行事を継承していくにあたり、飾りの充実の布石にしたいという思いがあるようだ。専門業者が作製したそれらは、吹き流しの長さもすべてきっちりそろっていて、見栄えがよい▼とはいえ、地元の商店の人々が仕事の合間を縫いながら手作りした飾りもまた、味わい深い。3日間のまつりのために、どれほど精を込めて作ったのだろう―と感服するものも少なくない。平というまちにとって、七夕とはそういう存在なのだと、しみじみ思う▼ならば、やはり盛り上げに欠かせないのはたくさんの飾りだろう。昔のように「飾りをかき分けながら歩く」七夕まつりの再来は、平を愛する市民皆の願いでもある。

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