平成7年に行われた「ふくしま国体」では開催県の福島が天皇杯・皇后杯を獲得したわけだが、それは単に、いわきの選手を含む本県のトップアスリートの競技力を向上させただけではなかった▼それまで最もスポーツとは縁が薄かったであろう高齢者や障がい者が、遊びではない真剣勝負のスポーツに自ら参加するというムーブメントを巻き起こした点もまた見逃せない▼スポーツによって隠れていた自分の可能性に気づき、仲間の輪が広がって生きがいにつながる――という流れは、いわきサンシャインマラソンに受け継がれた。シューズがあれば1人でいつでも走り出せる。いわきでは市民ランナーの姿が一年中見られるようになった▼けさ、市役所前のカウントダウンボードがあと1日を表示していた。街や海で地区を挙げランナーを励ます応援の様子も毎回高い評価を受けている。大きな声援で、演奏で、大漁旗でマラソンを盛り上げ、いわきの心意気を見せよう!
片隅抄