110年ほど前に現在の差塩小・中に赴任した初代校長から、子どもたちへの贈り物といえるだろう▼アメリカで米作りを成功させ、日系人の差別撤廃に尽力した国府田敬三郎は渡米前、同校で校長を務めた。その国府田の偉業を映画化するためロサンゼルスからロケ隊が訪れ、子どもたちも出演することに。撮影では国府田農場で収穫した米で炊いたおにぎりを食べたり、3月で閉校になる前のサプライズの一日となった▼映画プロデューサーの岡野進一郎さんは夫人の姉が嫁いだ国府田農場で食べた米に感動し、現在はロスで販促に当たっている。また今回、日米の橋渡し役となったアメリカ駐在23年の井出英雄さん(茨城)は川内村出身で、平工業高時代は国府田の生家に近い恩師宅で下宿していた。その恩師の父が国府田の友人だったという▼現在、農場を経営する孫ロス・コウダさんが製作スタッフに井出さんを紹介した。国府田にまつわる不思議な人の縁を感じた。
片隅抄