両国の江戸東京博物館で、あすまで開催中の徳川家康没後400年記念特別展「大関ケ原展」を見てきた▼会場に展示された家康らの書状や甲冑、刀や槍、陣羽織などからは本物の迫力を感じた。直江兼続が家康にあてた有名な〝直江状〟や徳川四天王の1人、本多忠勝の肖像画でなじみ深い〝黑糸威胴丸具足〟と愛用の天下3名槍の1つ〝蜻蛉切〟を見られるとは思わなかった▼平・長源寺に鳥居忠元の墓がある。忠元は平城を造った忠政の父で、まさに関ケ原前夜、主君のため三成の大軍から伏見城を死守しようと壮絶な最期を遂げた。家康は盟友の忠義に胸打たれ、嫡男忠政に磐城平藩10万石、山形藩24万石を与え、子孫も長くその勲功に浴したといわれる▼大関ケ原展では元忠の肖像画のそばに愛用の兜や籠手、短刀が展示してあり、しばらくその場を離れられなかった。中学・高校での日本史の授業は苦手だったが、こういう形で触れる歴史には興味をそそられる。
片隅抄