週末はU―18ベースボール、そしてバレーボール女子と、ワールドカップのテレビ観戦を楽しんだ人は多いかもしれない。視聴していて気に留まったことがある▼会場での応援、テレビの実況アナウンスで繰り返される「ニッポン」という読み方だ。「日本」の読みについては、公式に定められたものはなく、日本政府は、「ニホン」「ニッポン」どちらでもいいとしているのだが、読みに関して、NHKが平成15年に調査を行った▼その際は「ニッポン」37%、「ニホン」61%で、若い世代ほど「ニホン」派だった。そして今、日常においてわれわれは「ニホン」と読むことの方が多いと感じる。国名の読み方が定まっていないという国はそうはないと思うが、言葉が暮らしの中で変化する例はなくはない▼と、考えれば、普段は半濁音のないスマートな「ニホン」を使いながら、力こぶを入れる応援の際には「ニッポン」を使うというのもまた、自然なことなのかもしれない。