何らかの意味で毎日が記念日とすれば、きょう1日は「コーヒーの日」。全日本コーヒー協会が昭和58年に定めたという。かつて平の街なかには多くの喫茶店があり、その立地密度は全国でも上位に位置していた▼夏の暑さが過ぎ、冷涼な空気が漂い始めると熱いコーヒーがうまくなる。ひところ、ある店に通い続けた。モーニング、ランチを食べコーヒーを飲む。カップが空くと今は亡きマスターがもう1杯サービスしてくれた▼最近出版されたコロナブックス『作家の珈琲』(平凡社)を読んだ。登場者は作家のみならず、各分野の有名人と多岐。すぺて故人ではあるが、喫茶店あるいはコーヒーを通じ、人生とのかかわりをさりげなく紹介する▼近年、いわき市内では急激な人口移入に伴い、飲食・酒場のチェーン店が林立気味。味の良しあし、くつろぎの提供などは二の次に思える。夜のにぎわいも結構だが、まちは明るいうちから栄えなくてはなるまい。