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片隅抄

2015.12.03

先日、所属するある団体の事業で新舞子海岸の植林作業の手伝いをしてきた▼東日本大震災では、東北の太平洋沿岸部は、大津波の被害を受けた。松林がなぎ倒される映像は連日テレビで放映され、今でもその惨劇が目に焼き付いている。いわきでも松林の美しい新舞子海岸は櫛の歯が欠けた状態になったままで、かつての面影は見られない▼海岸線の松林は本来、防災のためのもの。防潮・防風林としての役割が大きい。国有地である新舞子周辺も、防災と言う意味からすれば、国はもっと植林活動に力を注がなくてはいけないのだが、防潮堤の建設に追われているのか、ボランティア団体に頼っているのが現状のようだ。この日は我々の団体のほか、市内はもとより、県外からも多くの人たちが参加していた▼荒れた土壌を整地し、松の苗木を植える作業は、見た目より容易ではない。結果が出るの30年後だという。「ふるさと」を守らなければと実感した瞬間でもあった。

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