今、クリスマスシーズン。そこで「そもそもクリスマスとは」について考えた▼キリストの降誕を祝う日ではあるが、キリスト教信者以外にとっての日本のクリスマスは「贈り物やケーキ、ごちそうを介して、思い出に残るような過ごし方をする日」に特化されている▼そんな折、三浦綾子の『珍版舌切雀』を読んだ。昔話の「舌切り雀」をベースに、スズメのクリスマス会で軽いつづらをもらって帰った優しいおじいさんと、重いつづらを欲してスズメのもとに行く意地悪なおばあさんが出てくる。そして2人は、キリストに出会う。『したきりすずめのクリスマス』という題で絵本化もされた▼昔話のような結末ではない。伝えているのは「キリストは人間を罪から救うために十字架にかけられた」という教え。キリストがおじいさんに言った「世界中に全く正しい人は1人もいない」「自分には罪がないと思っているほど大きな罪はない」は、すべてに通じる真理だろう。