東日本大震災を風化させることなく、災害で得た貴重な体験や教訓などを後世に語り継ごうと、久之浜・大久地区復興対策協議会は「東日本大震災 久之浜・大久証言集」を作製した▼公募した編集委員4人が証言集を編集した。4人は、表に出ない震災当時の話を地域の人に聴きたい、避難所で地域の人に助けてもらった感謝の気持ちを形にしたかった、後世に何かを残さなければ、との思いで編集にあたったという▼証言集には小学5年生から80代までの地区民59人から寄せられた手記などのほか、津波被害の状況を収めた写真などが掲載されている。証言集を読んでみて、それぞれ震災への思いや当時の置かれた状況などが詳細に書かれていた▼市内では、久之浜・大久地区、岩間地区、田人地区で震災遺構の保存に向けた取り組みが進められている。市でも震災メモリアル事業計画などの策定に取り組んでいる。震災の記憶と教訓が未来に伝えられるよう期待したい。