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片隅抄

2016.05.09

大型連休中は、普段より多くの他県ナンバー車が市内を走っていた。その中には、地震被害で大変な熊本のナンバーもあった▼最初の地震から間もなく1カ月となるが、熊本では震度1以上の地震は1300回を超え、なお震度3、4の地震が日々起きている。5年前の私たちは地震後、原発事故による放射能という体感できない敵におびえていたが、今、熊本の人々が体感させられているやまない揺れは、いかほどの脅威だろうと心が痛む▼5年前を振り返ると、地震からひと月後といえば、4・11はあったものの全体的には、水が出るようになり、少しずつ落ち着きが見えてきた時期だったと思う。失ったものは多かったが「頑張っぺ」の声も聞かれ始めたころだった▼だが熊本では、今なお、いつ地震があるか分からない状況だ。人知の及ばぬ相手だけに、この状況を切り抜けるには、人同士の支え合いが何より大切。遠くから案じるしかないのが、何とももどかしい。

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