6月末日。前半年のけがれを落とし後半年の無事を祈る「夏越の祓」の日であり、茅の輪くぐりなどの行事を行った神社もある▼京都では、この日に食べる伝統的なお菓子があるという。その名も「水無月」。ういろうに、古来邪気を払うとされる小豆が乗った三角形の菓子だが、三角形は氷片を表しているという。冷房などない時代、暑さで体力を消耗する季節に、甘く食べやすい菓子でエネルギーを補給する意味もあったそうだ▼この水無月、市内でも売っていないかと数軒の店をのぞいてみたが、見つからなかった。こんな和の風物詩を、ちょっと味わうのも悪くはないと思ったのだが、全国的なものではないようだ▼ただ、茶席の初釜で使われる「花びらもち」も、昔はあまりなじみがなかったが、今は正月になると当地でも売っているし、何より大阪発祥の節分の恵方巻きは、全国的な行事食になった。水無月も、誰かが注目し全国展開を図るかも、と思っている。