「新聞を開くその手で ひらく未来」をテーマに第69回新聞週間が21日まで続く。きょう18日は山形市で業界代表者が一堂に集う新聞大会が行われ、さらに20日は「新聞広告の日」となる▼大手広告代理店の社訓にかの有名な「鬼の十則」がある。その昔、得体の知れない業種を一躍近代化させ、世界に冠たる会社に育てた故吉田秀雄社長のメッセージだ。「周囲を引きずり回せ」「取り組んだら絶対放すな」など▼内容はまさに猛烈そのもの。しかしながら、営業マンにとってはバイブルであり、実行に移した人も多いだろう。軋轢なんぞ関係ない、目的完遂まではと、しゃにむに突っ走った姿が思い浮かぶ▼激務に耐えかね、自ら命を絶った若い女性がいる。大企業での仕事とは、そういうものだと思いつつ、同情を禁じ得ない。『暮らしの手帖』名編集者花森安治氏の言葉に「広告は美しくなければならない」とある。心の余裕があればこそ、仕事も楽しくなる。