日本をはじめ太平洋島しょ国の首脳が一堂に会する「第8回太平洋・島サミット」が前回27年に続き来年5月、本市での開催が決まった。開催地選定は本来は自治体の立候補だが、今回は政府の意向が反映されたようだ▼前回大会をふり返ると、さまざまな思い出がある。まず会場の秘匿があった。クリーンな「いわき」を見てもらおうと付近では清掃活動が展開されたが、警備上などの諸問題から取材しても実施場所は紙面で特定できなかった▼それでも市民は一丸で歓迎の意を表した。ある地区では会場入りする各国訪問団のため、ボランティアが手作りした国旗を幼稚園児らが懸命に振り、気持ちを伝えるなど、華やかな舞台の裏で市民の地道な働きがあった▼国際会議は、本市をPRする絶好の機会でもある。「安全第一」を大命題に準備に携わる行政関係者のご苦労もあろう。開催にはしゃぐことなく、成功に向け汗を流す人たちの姿を忘れてはならない。
片隅抄