今日から2月。先月も昨年に続き、高齢ドライバーが関係する交通事故が相次いでいる▼先ごろ、日本老年学会、日本老年医学会は、「高齢者は75歳から」と提言した。現行では65歳以上が高齢者とされているが、健康や運動に気をつける高齢者が増え、65歳はまだまだ若いということらしい。ただ、健康面や体力面には個人差があり、ひとくくりにしてしまうには疑問が残る▼特に、交通事故は年齢が上がるに従って、事故のリスクも上がる傾向にある。そこには加齢によってハンドル操作のミス、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど、瞬時に判断する認知能力の低下が挙げられる。高齢者の中にまだ自分は若いんだ、という過信はないだろうか。高齢者の体力、能力には限界がある▼国は65~74歳はまだ社会の働き手とみなし、年金年齢引き上げを狙っているのかしらないが、こと交通事故に限っては、高齢者に対し行われている、認知機能検査の厳格化を逆に願いたい。
片隅抄