先日、何げなく借りたDVD「友情」。松竹創立80周年記念とあるが、主演の渥美清さんに興味が引かれた。相方は若くして亡くなった先代中村勘九郎さん▼役どころは中年男性に渥美、青年役には中村さんがふんした。ストーリーは、ダムの工事現場で知り合った2人が東京、瀬戸内海を旅し、交流を深めるものだが、後半どこか暗い雰囲気が漂ってくる▼青年との時間を共有することで里心が出た中年男性。実は出稼ぎから6年間、故郷に戻ることがなかったことが明らかになる。意を決し、青年を連れ過去の居住地に向かうのだったが、ある現実が待ち受ける、という結末▼おりしもNHK朝のテレビ小説「ひよっこ」が始まった。こちらも似たようなあらすじである。隣の茨城県を舞台にするため、言葉アクセントに違和感はない。昭和39年当時の時代背景も懐かしいが、故郷を捨て都会志向に向かう状況も著しかった。テレビから、その事実が伝わるかどうか。