ここ最近の台風でも体感しなかった揺れに襲われた。19日夕から翌日にかけて、いわき地方などを見舞った暴風には肝を冷やした人も多いだろう▼こちらも当日夜7時すぎ、仕事を早めに切り上げ平街中にある築50年以上の実家に帰った。浅酌しつつ収まるのを待ったが一向にその気配はなく、時間の経過とともに強風が暴風に変わっていった▼〝春の嵐〟などという程度ではない。家屋の隙間から、つんざく音がし外では何かが吹き飛び、ぶつかる音がした。周囲に風を遮るものはなく、ただ過ぎ去るのを待った。翌朝、家屋を見て回ると雨水を流す樋が落ちていた▼市内ではソーラーパネル落下などの被害はあったが、幸いにも人命にかかわる事故はなかった。結果論だが日ごろの点検が大事になる。それにしても平城本丸跡地にある鉄筋の足場がよく飛ばされなかったものだ。万一、真下のJR敷地内に落ち架線に触れでもしたら大きな被害が出ていたろう。
片隅抄