キンモクセイの香りが漂い、一雨ごとに寒さが増す中、秋の深まりを感じる。昨日朝、小名浜港に宮城県金華山沖で漁獲されたサンマが初水揚げされた。昨年に比べ、ひと月近く遅れ、さらに量も約9㌧と少ない▼乱獲、海水温の変化などさまざまな要因が考えられるが、庶民の身近な旬の味覚だけに何ともさびしい。例年ならお盆すぎに出回るサンマの刺し身を楽しみにしていたのだが、今年はどうも食感が違った▼よもや冷凍品とは思いたくないが、店頭に足が遠のいてしまったのも事実。かつては隣近所からサンマを焼く煙がもうもうとしたものだが今では迷惑を考え、それも遠い昔に。それでも当地いわきは魚とは縁がある▼一例として29日、久之浜漁港まつりが開かれる。震災前、取材したことがあるが、なかなかの盛況ぶりだった。今回も地場産品の販売、山海のおかないめし提供、ステージイベントなど多彩な催しを用意する。一度行くのもいい。