もう30年以上前だが在京時、夕刊スポーツ新聞の配送アルバイトをしたことがある。刷り上がった新聞を地下鉄各駅の販売所に届ける作業。時に冷え込むこの時期になると、やけに待たされたシーンを思い出す▼その日はちょうど、ドラフト会議があった。各球団が指名した高校生らを紙面で紹介する都合上、編集の締め切り時間が伸びわけだ。1面に載った選手名「源五郎丸洋」さん。その名前を見た先輩は、どこまでが名字なのかと首をかしげた▼プロなら名前一つもPR手段になるのだが、野球に詳しくないこちららは彼の活躍を知らないままにいた。結局、数年後けががもとで球界を去ったという。昨日、ドラフト会議が開かれ注目の早実高清宮幸太郎選手は7球団から1位指名を受けた▼進学かプロか、と騒がれはしたが進路は決定した。本市でもいわき光洋高卒の渡辺啓太選手がロッテに5位で指名された。過度の期待はよくないが、活躍を望みたい。
片隅抄