県内最大規模を誇るショッピングモールがきょう、小名浜港背後地にオープンした。国内外の専門店はじめ、地元など衣、食、住に関わるテナントが入居、新たな商業スポットが誕生した▼その半面、立地周辺の既存店、商店街の影響も当然考えられる。ひところ同じ状況にある地域では、進出反対運動が起きたこともある。企業防衛という見地からは致し方ないが、今ではむしろ共存共栄を図る方向に落ち着いている▼かつて平の老舗店が市外同業者の地元参入に対し、相当過敏になったことがある。建設場所などの青写真が示され、市民の期待も高まったのだが、結果的に進出はなくなった▼自社の利益を侵害されたくなかったのだろう。理解できるが、競争原理が働かないところに発展はない。その後、少しずつ商業圏は郊外に移り現在にいたる。老舗店もある日突然閉店し、十数年が過ぎた。「活性化」とよくいわれるが、自身の身を削る決心も必要な時がある。