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片隅抄

2018.06.16

平成14年から15年にかけて、本紙の中面企画で「新いわき百景」という連載を担当したことがある▼その少し前、いわき市内の美しい風景を収録した『いわき百景』という小冊子が出版された。それに刺激されて、単に美しいだけでなく、いわきの今を象徴する風景を、目をそむけることなく写真で紹介していこうと思ったからである▼その第15回が『それでもお前は川か』(平成14年7月30日)。平市街地を流れる新川。しかし、堆積物で川幅が狭くなったうえ、そこに雑草が生い茂って流れる水が全く見えない現状を嘆いて載せた。新川が川らしい光景を見せるのは、台風などの大雨で水かさが増したときでしかない▼15、6年たった今も、新川は溢れかえるような雑草や小灌木で覆い尽くされている。ボランティアによる草刈りや植栽が行われているが、献身的な努力もすぐ新しい雑草に消されてしまう。新川は市民憩いの川、ふるさとの川にはなりえないのだろうか。

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