水島新司さんの野球漫画「ドカベン」が終了した。連載が始まったのは昭和47年だから、実に46年間も続いた大長編作品である▼中学時代の柔道編でスタートした1巻から、高校3年夏の全国優勝で終わった48巻までそろえたコミックスは長らく自分のお宝だった。ちなみに山田、里中、岩鬼、殿馬ら明訓高校ナインが高校1年生で甲子園に出場したのが第56回大会で、その時点に限れば昭和33年生まれの抄子と同学年になる▼明訓がその大会の決勝で対戦したのは、炭鉱閉山で苦境にあった町から出場したいわき東高校だった。水島さんには昭和46年夏の第53回大会で準優勝した磐城高校が印象に残っていたのだろう▼現実の夏の甲子園大会は今年が100回の記念の年。その福島大会がきょう開幕した。60の老体に鞭打って取材をすることになるが、グラウンドでプレーする選手、スタンドから応援する選手がそれぞれの立場でこの夏をいい思い出にしてもらいたいと思う。