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片隅抄

2018.09.22

戊辰戦争で官軍の標的にされ、最後の攻防が繰り広げられた鶴ケ城を先日、久しぶりに訪れた▼天守閣を頂く高さ36㍍の5層(下層にも塩蔵と食糧庫だった干飯櫓の2層あり)の偉容は会津観光のシンボルとしてふさわしい建物といえた。息をきらせながら階段を上ると、最上階から磐梯山や23万石の城下町が見えた▼鶴ケ城を拠点にきょうから3日間、「会津まつり」が盛大に開催されるが、冷静に見れば、城の中は博物館と何ら変わらない。隣接する県立博物館から会津の一時代を切り離したような展示なのである。イベント開催時以外、鶴ケ城を何度も見たいという人はどれくらいいるだろうか▼弊紙13日付「還流」で同僚記者がサッカースタジアムについて書いているが、それと同様、磐城平城の櫓建設・公園化整備にももっと市民全体の議論が必要だ。費用はいくらか、内部をどうするのか、完成後どう利用するのか。絵に描いた餅ならぬ城では洒落にもならない。

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