衆院議員通算7期、経済産業副大臣などを務めた坂本剛二さんが4日、急逝された。現役当時からこれまで取材、その他でお目にかかる機会もあっただけに、突然のお別れはいまだ信じがたい▼いわきの政治史をひもとくと、旧福島3区の衆院選では長らく保守の斎藤邦吉、菅波茂両議員が議席を占めていた。この地盤に変化が現れたのが昭和58年12月、いわゆるロッキード裁判で有罪判決を受けた田中角栄元首相の女婿直紀氏の出馬▼次の61年に市議、県議を務め国政を目指し立候補したのが坂本さんだった。地元出身をアピールするも、次点で涙をのむが平成2年の総選挙で初当選を果たした。中選挙区制があったころ、ある思い出がある▼本紙創刊50周年記念祝賀会に出席した田中、坂本両氏。袂を分かった2人が顔を合わせ互いにあいさつを交わした。この年、秋の総選挙で劇的な337票差が激戦を制した。勝者敗者どちらの思いも知っていた政治家だった。