いわき地域学會代表幹事吉田隆治さんが、自身のブログ『磐城蘭土紀行』で夏井川渓谷の紅葉について書いておられた▼この中で、夏井川渓谷の紅葉の時期には「前期」「後期」があると指摘していたが、それを読んでいて、昔、小野町との市境近くにあった川前小の分校(現在は閉校)を1年間取材して頻繁に夏井川渓谷沿いを通っていたとき、地元のおばあさんから聞いた話を思い出した▼「夏井川渓谷にはね、〝二度もみじ〟というのがあんだよ。一度紅葉の盛りが終わってから、もう一度見ごろの時期があんだ。気をつけて見てみ」。吉田さんの前期・後期説とも、やはりブログにあった大町桂月の歌碑「散り果てゝ…」にも通じる▼南東方向に流れる夏井川沿いの渓谷は細く長い。川前町から小川町へ、気候も地形も樹叢も異なる。加えて季節の移ろいは時に気紛れだから、日々の季節感に敏感でいないと最盛期を見損なってしまう。二度もみじ…来年をお楽しみに。