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片隅抄

2019.03.13

被災地で暮らす人たちにとって、東日本大震災が起きた3月11日は、忘れられない日になっている▼特に、浜通りは地震、津波被害に加えて、福島原発による放射能問題を抱える。地震、津波で壊された橋や道路、住宅などの復旧は進み、被災地では元の状態に戻りつつある。大きな被害を受けた市内の沿岸部でも防潮堤工事が行われ、高台でのニュータウン建設が進められている▼復旧工事が次々と終了する一方、市内の経済の疲弊は深刻で、零細企業は震災前並みに復活できないまま苦戦している。労働力不足もあって会社維持が困難なら、廃業もやむなしと考える経営者もいるほど▼震災から8年がたち、震災の記憶は薄れつつあるが、被災地では新たな問題が発生している。被災地での交通インフラなどの復旧は一段落したものの、被災者の心のケア、地域経済の復活、風評被害の払しょくと課題は山積。被災地での復興は道半ば。震災による傷の深さを実感する。

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