お城の櫓も、新しいサッカー場もいらぬ。そんなモノに血税を使うなら市立博物館を造るべき▼抄子の長年の持論だが、市議会ではこれまで、明確に反対意見を述べた議員は見当たらなかった。こう思っているのは抄子だけなのかとガッカリしていたら、こんな一文に接した▼残念なことに、いわき市には現在、歴史資料保管の公的施設が存在しない。(中略)広範に亘って散在している貴重な文献資料をすくい取る地道な作業と相俟って、それらを解読する作業や発表が恒常的になされることが、いわきの歴史の更なる深化と伝承のためには欠くことができない…▼まさにわが意を得たり。筆者はいわき歴史文化研究会の小野一雄代表だ。自分の研究に支障がなければ〝出る杭〟になりたくない、という考えもわかる。しかし今、当事者たちが声を上げねば次世代の市民に申し訳が立たないのではないか。まずは逆風の先頭に立つ強い意志をもったリーダーの登場を待ちたい。
片隅抄