バスケットボール界の世界最高峰NBAに日本人で初めて一巡目指名を受けた八村塁選手▼昨日のスポーツニュースはその話題で持ちきりだったが、その中で中学時代に彼をバスケに導いた恩師のエピソードが語られている。まだ明確な目標をもてなかったハーフの少年に「お前はNBAの選手になるんだ」と諭した言葉が、彼の目の前に1本の道をつくることになる▼ごった返すドラフト会議の会場で彼はイの一番に「まず中学時代のコーチに感謝したい」とインタビューに答え、それを聞いた恩師は「彼の成長が僕の夢だった」と感激。指導者としての〝言葉の力〟を再認識する。いい話だと思った▼まだ21歳。同世代には20歳の陸上男子100㍍9秒97の日本記録保持者サニブラウン選手がいる。こちらも活躍の場をアメリカにかえて飛躍的に成長した。2020東京五輪への期待なんか小さく思えるほど、国境を超えたスケールの大きなアスリートになる予感がする。