野球の記録をひもとくとさまざまな興味深い数字にいきつく▼プロ野球でいえば戦前のある投手のシーズン投球回数541回と3分の1。ちなみに昨シーズン最も多く投げた投手は202回であるから、どれだけ酷使されたかがわかる。御年92歳の野球解説者関根潤三さんは法政大時代、79試合に登板して41勝30敗。東京六大学で先に2勝をもぎとるリーグ戦を思えば、毎試合1人で投げていたような数字だ▼江川卓さんの高校3年夏の栃木大会の記録も信じられない。5試合投げて3試合がノーヒットノーラン。残る2試合も1安打ずつしか許さなかった。野球漫画でもこんな破天荒な記録はない▼福島県内高校野球の公式記録集をめくっても、九回で1試合奪三振26とか、わずか74球で九回を完投したりとか、あの松井秀喜さんを上回る1試合6打席連続敬遠四球というデータなどが残っている。今年夏の福島大会も始まったばかり。球児たちのプレーに声援を送りたい。