その場に居ながら、各地の祭りを次々と堪能できるイベントに、震災直後の平成23年から〝復興と鎮魂〟をテーマに始まった「東北六魂祭」がある▼毎年夏、東北六県の県庁所在地持ち回りで、福島わらじまつり、仙台七夕まつり、山形花笠まつり、盛岡さんさ踊り、秋田竿燈まつり、青森ねぶた祭を披露。一巡したところで、その魂は同じ規模の「東北絆まつり」へと受け継がれ、今年は福島市が会場となった▼それに比べると規模は小さくなるが、茨城県日立市でも毎年10月、「ひたち秋祭り郷土芸能大祭」が開かれている。29回目を数える今年も26日に〝全国の芸能「夢」の競演〟として実施。神話の世界を演じる島根県の石見神楽をはじめ西馬音内盆踊り(秋田)、大川平荒馬(青森)、神川豊穣ばやし(埼玉)が出演する▼さまざまな理由で遠出できない人は多い。テレビで見るのとは違う生の迫力を、そうした人たちにお見せしたい。いわきで実現はできまいか。