小津安二郎、黒沢明両監督作品で存在感を示した笠智衆、志村喬さん。いずれも故人だが、今でも映像でその演技を見ることができる。会社が異なるがこの2人、国民的映画「男はつらいよ」第1作で共演している▼きょう27日から通算50作目の「お帰り 寅さん」が公開された。昭和44年のスタートから、平成8年に主役渥美清さんが亡くなるまで続いた。今作ではかつてのシーンを技術的に加工し、俳優陣が寅さんを思い出す▼フィルムから、より鮮明なデジタルに素材も進化した。だが奥行きのある昔日の画質も捨てがたい。さて来年2月2日、イワキノスタルジックシアター第5弾「ガラスのうさぎ 東京大空襲」がいわきPITで上映される▼当日は映写機を用い、公開当時と同じ雰囲気を伝える。原作のサイドストーリーには、本紙も関わっている。対談も予定され、当時市役所担当で心温まるネタを仕入れた、現いわき地域学會代表幹事の話も興味深い。
片隅抄