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片隅抄

2020.1.7

新年が明けてから早くも7日。古来からの風習「七草がゆ」を食する日でもある。セリ、ナズナ…と中身の野菜名はすらすら出るが、恥かしながら正統な「かゆ」はこれまで口にしたことがない▼年末年始の酒食で疲れた胃袋をいたわることらしいが、恒常的に酒を飲むこちらは、毎日でも食さなければならない。同じ種類で興味あるものに「心平がゆ」がある。詩人草野心平が中国で覚えたという料理▼ものの本によると、調理法はいたって簡単だが洗わない米を同量のごま油で炊くというあくの強い代物である。もっとも本人40代のころ「大宿酔」を連日続けた心平のイメージにも合う▼そんなことを考えながら、市立草野心平記念文学館で開かれている「草野心平と粟津則雄展」にまだ足を運んでないことに気付いた。心平と同施設の名誉館長でもある粟津さんの長きにわたる交流をさまざまな資料で紹介している。2人の関係をじっくりと見る価値はある。

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