新年に入り気持ちも新たに、としたいところだが日々待ったなし。年明けから児童が巻き込まれる交通事故、さらに陰惨な母子遺体発見など気がめいる事件も起きている▼すでに終了した、いわき市の成人式。13会場を手分けして取材、紙面でその様子を伝えた。こちらは2地区を訪れ、初々しい新成人の姿を目にした。ある会場では開始前、浮かれた男性がやや大きな声を出したほかは、眉をひそめる行いはなかった▼かつて「成人の日」に新聞紙上には作家山口瞳さんのメッセージ広告が掲載された。その後、執筆を引き継いだのが伊集院静さんだった▼熱心な読者ではないが、著書の一節「世の中には不幸の底にある者と絶頂にある者が隣り合わせて路上に立つことがある。だから大人はハシャグナということだ」(続・大人の流儀)。このフレーズが印象に残る。先日、その伊集院さんが突然の病に倒れたという。予断を許さぬ状況というが回復を願う。