1年で最も気温が低いとされる2月、会津や裏磐梯など県内の雪国では「雪まつり」が開かれるのだが、今年は記録的な雪不足で、予定したイベントを中止したり規模を縮小せざるを得ない状況になっている▼雪が無くて困るのはスキー場はもちろん、織物の品質を高める雪ざらし、日本酒やそばなどのまろやかさを増したり雑味を抜いたりするための雪室などにも影響が出ている。大雪で雪かきボランティアが出動したり、幹線道路に積もった雪で立ち往生する車の長い列ができるなどのニュースも、今年はお目にかかれない▼これも地球温暖化の影響か。先月29日には季節外れの大雨があり、大久川や仁井田川など河川の相変わらずの脆弱(ぜいじゃく)さが明るみになった▼中国に端を発した新型のコロナウイルス。人間だけでなく、病原菌にとっても暮らしやすい冬なのかもしれない。コンビニなどではマスクが品切れ状態になっている。どこまで深刻さの度合いを深めるか不安だ。
片隅抄