昨年、東京・池袋で87歳の男性が運転する車が暴走し、母子2人が亡くなる痛ましい事故があった▼全国で高齢運転者の事故が相次ぎ、免許返納を求める声が高まりをみせている。この事故をきっかけにして、運転できる年齢に上限を設けてはどうかといった意見もある。高齢運転者の高速道路での逆走などは重大事故につながるだけに、制限の必要性は感じる▼事故の原因でよく言われるのが、運転操作の誤り。認知機能や運動能力の衰えからブレーキとアクセルの踏み間違い事故が少なくない。高齢運転者は体の衰えを自覚し、無理な運転を控えることが大事。また、高齢運転者の車を見かけたら、車間距離に注意し、やさしい運転に心配りをしたいものだ▼高齢者に限らず、交通事故はだれもが被害者、加害者になりうる。少しの不注意で人命が奪われることを肝に銘じたい。一人一人が交通ルールやマナーを守ることが事故防止につながることを忘れずに。