新型コロナウイルスの感染拡大が止(や)むことなく深刻の度合いを強める中で出されるという国の緊急事態宣言▼「今はギリギリ持ちこたえている状態」と繰り返し話してきた安倍首相だったが、いよいよ決断するときがきたようだ。宣言が出された場合、可能になる国による特別措置にはいろいろあるようだが、さて実際、市民生活にどんな影響を与えるのか。そして感染拡大の防止にどれだけ効果を上げることができるのか▼強い権限を持つと同時に、責任の重さも双肩にのしかかる。安倍首相があれだけ宣言するのをためらい続けたのだから、確かに両刃(もろは)の剣ではあるのだろう。東日本大震災に続いて、われわれは教科書の歴史年表に大きな文字で刻まれる大変な試練の中に巻き込まれている▼首都圏に比べればまだいわきは平穏を保っているが、いつどんな形で集団感染が起きるかわからない。その危険性を1%でも抑えられるよう、正しい情報のもとで冷静に対処したい。