新型コロナウイルス感染が広がる中、自身の体調の変化に不安を覚える方もいることだろう。「まさか、もしや」。これが事実にならなければよいと思いながら、この重苦しい空気を過ごしている▼治療より予防といわれるが、根本的な解決法がない現在、こまめな手洗い・うがい、密集を避けるなど最小限の防衛を図るしかない。不要・不急になぞらえて自虐的なギャグも聞かれるが、こののち完全な終息を見た時、再び話題をさらいそうなワードでもある▼このような非常時に起きるのが根拠のないデマの類(たぐい)や人心不安につけ込んだ詐欺、悪質商法。さらには、いわれなき差別なども生じる。東日本大震災の教訓は生かされているのだろうかと首をかしげてしまう▼まちに一歩出ると、満開の桜に加えコブシ、ハクモクレンなどが目に入ってくる。もう半月過ぎれば、次は若葉青葉の季節。小事だが季節の移ろいを忘れてしまわないよう心の余裕も持ち続けたい。