新型コロナがまだ中国でおさまっていたころ、3人の大学生がわが社でインターンシップの研修を受けた▼その際、9年前の東日本大震災で放射能汚染やガソリンの残量を気にしながら、被災地の様子や役立つ生活情報を報道したときのことを話した。後で大学生の1人は「仕事をするって、単に給料をもらうためだけじゃないことを知った」と感想をもらしたという▼今、感染のリスクを承知しながら医療の最前線で治療や看護、検査などに当たっている医療従事者がまさにこれだろう。本人はもとより家族まで<菌がうつる>と心ない言われ方をしている宅配業者もそうだ。そうした人たちの使命感の上で市民生活が持ちこたえている▼その一方で、「ストレスがたまるから」「暇だから」と感染の恐れが高まるパチンコ店通いをやめない人のコメントを聞くとがっかりする。感染や収入減、大会の中止などストレスを抱えている人は大勢いる。耐える日々は誰も同じだ。